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機微力検定2019.11.19

機微力関連インタビュー記事_第1回:”機微力”って何ですか?

皆さま、大変お世話になっております。

ご縁をいただき、ライターの野沢都子(https://www.lancers.jp/profile/nzmy1480)さんにインタビュー記事を書いていただけることになりました。「”機微力”は大変興味深い。けど、ちょっとよくわからない」そこからスタートして機微力・機微力検定を紐解いていただきます。全10回の連載、どうぞお付き合い下さいませ。

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”機微力”と聞くと、どんな力を思い浮かべますか? 私は、そもそも”機微”という言葉の正しい意味さえ知りませんでした。

き-び【機微】
 かすかな心の動きや物事の趣き。

Wikipediaには、このような繊細な言葉で表現されています。定義が難しいこの言葉に着目して”機微力”という言葉を提唱し、さらに”機微力”を測定する検定まで開発したのが今回インタビューする「一般社団法人機微力研究所」です。

団体名:一般社団法人機微力研究所
設 立:2019年8月1日
代表理事:森 義之

一般社団法人機微力研究所のはじまりは、2009年に山本が設立した「ジャパンスタイルデザイン株式会社(通称JSD)」というデザイン会社でした。それから10年後の2019年8月に立ち上げた「一般社団法人機微力研究所」で異文化理解・多文化共生の実現のために始まったプロジェクトが、今回紹介する「機微力検定」です。まずは、「機微力検定」を開発された山本と飯島二人のプロフィールを以下に紹介します。

■一般社団法人機微力研究所 理事 山本 洋平
2004年 日本総合研究所に金融コンサルタントとして入社
2005年 流体力学のベンチャー企業に入社 
2009年 ジャパンスタイルデザイン株式会社設立
★2015年2月 千代田ビジネス大賞(特別賞)受賞
2019年 一般社団法人機微力研究所設立

一般社団法人機微力研究所 理事 飯島 美帆
2012年 ジャパンスタイルデザイン株式会社にデザイナーとして入社
★2016年3月 「かわさき起業家オーディション」かわさき起業家優秀賞・日本起業家協会賞受賞
2019年 機微力研究所にて産学連携プロジェクト「機微力検定」の研究・開発中

今回「機微力検定」を深掘りするにあたって、そもそも”機微力”とは何なのか?という疑問をお二人にぶつけてみました。

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筆者:私のような一般人は、”機微力”と聞くと日本人のワビサビのような、一歩下がったイメージを持つ人が多いと思うんですが…。

山本:そうそう、僕も最初そう思ってたんです。奥ゆかしさですよね。

筆者:現在、機微力研究所の中では”機微力”はどう定義されているんですか?

山本:わかりやすく言うと「人の気持ちのちょっとした変化を察する力」です。性格やキャラクターのような先天的なものではなく、後から入手可能で伸ばせる力だと考えているんですよ。そしてこの力は、日本だけでなく世界でも必要とされる力なんです。学会で海外の方に話すときは、非言語の情緒的コミュニケーションとして「the ability to read and understand the subtle change of human beings’ feelings」という言葉で伝えています。

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筆者:なるほど。でも世界共通で必要な力なら、海外にも”機微”と同義の言葉があってもいいような気がするんですが…。

飯島:それは、日本が世界有数のハイコンテクスト文化だということに関係しています。ハイコンテクストとは、言葉の中に色々な意味を含ませるということです。つまり、日本は察する力に長けているんです。外国の中には、言葉以上の意味を持たないローコンテクスト文化が根付いている国も多くあります。

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山本:そういう国では”機微”のような言葉が生まれにくいのかもしれません。だからこそ、日本から”機微力”を広めていこうと思ったんです。

筆者:それは、日本のようなハイコンテクスト文化の方が優れているということですか?

飯島:いいえ、文化に良し悪しはありません。言葉にして伝えることは非常に大事なことだと思います。しかし、機微力も併せ持つことによって、お互いのコミュニケーションがより円滑になると私たちは考えています。

筆者:なるほど! ”機微力”は国籍や文化に関係なく、より良いコミュニケーションに必要とされている力なんですね。

山本、飯島:はい、そうなんです!

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このあと私は、山本と飯島から「機微力検定」の始まりや研究過程のお話を伺うにつれて、”機微力”の奥深さや壮大な可能性を実感することになります。

(続く)