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機微力検定2019.11.22

機微力関連インタビュー記事_第4回:「機微力検定」の始まりは東大へのアポ無し訪問だった

皆さま、大変お世話になっております。

ご縁をいただき、ライターの野沢都子さんにインタビュー記事を書いていただけることになりました。前回までは、”機微力”という言葉が作られていく過程をご紹介しました。ここからは、「機微力検定」が生み出され、試行錯誤の末に研究開発に至るまでの驚きのストーリーを紐解いていきます。

ーーー初めから純粋に、グローバル社会に役立てる事業がやりたかった。

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日本人向け書籍がきっかけとなって、外国人留学生のためのKIBI事業が始まった流れまでは理解しましたが、「機微力検定」というプロジェクトを立ち上げた理由は何だったのでしょうか。

山本:実を言うと元々は留学生の機微力醸成のためにeラーニングを作っていました。ただ、開発やメンテナンスにもお金がかかりますし、その事業だけでは金銭的に厳しくなってしまったんですね。ビジネスにおける収益性と公益性は相反する場合もあるので、悩ましい問題です。その後、目先のお金を確保するために採用支援事業を行っていたんですが、私たちの強みやオリジナリティが発揮できていないのではと周りの方から助言を頂き、改めて「グローバル社会に貢献できる自分たちにしかできない事業は何だろう?」と原点に立ち返って考えたんです。そしてたどり着いたのが、異文化理解・多文化共生・グローバル人材に”機微力”をからめた「機微力検定」でした。

金銭面で悩みながらも、自分たちにしかできない・社会に役立つ事業を!という純粋な想いで立ち上げたプロジェクトが「機微力検定」だったのです。

ーーー”機微力”は日本企業を変える大きな可能性を秘めているかもしれない。

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飯島:「機微力検定」の開発にあたって、東京大学の先生方にアプローチしました。「機微力検定」に異文化理解・多文化共生・グローバル人材など専門分野の知識は欠かせませんし、その道のプロフェッショナルの方々と共に作っていきたいと思ったからです。初めは本当にアポ無しで事務局の扉をノックして…という流れでしたので無謀な挑戦でした。ただ、何度も通ってお話をする中で、次第に私たちの考えや”機微力”について共感していただけるようになり、最終的には全面協力して頂けることになりました。

あの東京大学にアポ無しで飛び込み訪問するという大胆な行動に出た飯島。しかし結果的に、4人の東大の先生方との共同研究開発が実現。言葉にすると簡単ですが、道のりは容易ではなかったはずです。一体、何が決め手となって交渉が成立したのでしょうか。

飯島:ある時、一人の先生から「日本の方が優れていて日本のやり方に合わせるのが正しい、という考え方ではないですよね?」と質問されたんです。というのも先生たちは、現在の日本の旧態依然とした考え方や多様性を認める価値観が浸透していない状態に危機感を持っていたそうなんです。今後日本が世界から選ばれなくなる、ともおっしゃっていました。そんな中で、もしかするとこの”機微力”が新しい軸となり、日本企業を変える可能性を持っているかもしれない。と思ってもらえたことが、最終的な決め手になったのかもしれません。

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上記の東大の先生からの言葉は、異文化理解・多文化共生において非常に大事なポイントであり、今後の「機微力検定」の研究開発において重要な意味があったと二人は振り返ります。

”機微力”を広めることは、日本式の考え方やマインドセットが優れていると示すことではなく、さまざまな価値観を受け入れ、認め合い、溶け合っていく考えを広めることなのです。

次回は、飯島と東大の先生方が試行錯誤を繰り返し研究開発した「機微力検定」の”中身”についてご紹介します。

つづく。